最上小国川清流未来振興計画
はじめに
最上小国川は、その源を東北地方の脊梁である奥羽山脈の神室山系に発し、渓流を下り、里山、農村などを流れ、最上町と舟形町を経て、山形県を貫流する最上川へと注いでいる。
最上小国川上流に位置する赤倉温泉地区は、度重なる洪水に見舞われ、住民生活、旅館業、産業活動に甚大な被害を被ってきた。地域の住民は、その都度、地域を挙げて早期復旧のための活動の繰り返しを余儀なくされた。このような厳しい状況を抜本的に改善し、地域住民の生活の安全安心を確保するため、一日も早い、効果ある治水対策が渇望されていた。そのため、県、漁協、最上町及び舟形町などの関係者による協議、検討が進められ、効果のある治水対策についての調整が続けられてきた。
この結果、平成26年10月に最上小国川流域の安全安心を確立するため、県、最上町、舟形町及び小国川漁業協同組合により「最上小国川流水型ダム建設に伴う治水・環境対策と内水面漁業振興等に関する協定」(以下「協定」という。)が締結された。
本計画は、この協定に基づき、最上小国川の治水対策による安全安心の確保と内水面漁業の振興の両立による最上小国川流域の地域振興を図ることを目的とし、治水や内水面漁業関係者のみならず、住民をはじめ観光、商工、農林、環境教育などの流域の多様な関係者がワークショップで意見を出し合い、それを基に県、漁協、最上町及び舟形町で協議、検討を重ね、地域の将来の姿や、その実現に向けた10年間にわたる事業や取り組みについてまとめたものである。
今後、流域の関係者が連携しつつ、それぞれが主体的にこれらの事業や取り組みを着実に実施し、その成果を検証、改善していくことによって、本計画、ひいては地域の振興を実現していく。